今回は、『英作文の勉強法』を解説していきます。国公立大の二次試験では、難解な日本語を英訳させる問題や、自由英作文が出題されます。英文読解と比べて配点は低いのですが、かといって対策をしないわけにはいきません!
まず、英作文を得意にするために最も大事なことを確認しておきます。
Contents
英作文を得意にするために、最も大事なこと!
英作文を得意にするために、最も大事なことは、ずばり『暗記』です!英作文は「自分の知っている表現で書けるようにしよう」等と言われることがあります。ですが、ほとんどの受験生は、「そもそも暗記している表現が少ない」のです。その状態では、英作文が書けるはずがありません!
では、具体的な勉強法に進んでいきましょう。
英作文を得意にするために必要なこと3つ!
文法を暗記&理解→例文レベルの英作文を書ける!
英作文では、『正しい英文法で書ける』ことが求められます!そもそも文法をしっかりと理解し、覚えていることが前提です。ですが、それだけでは不十分で、『例文レベルの英作文』を正しく書けることが非常に重要です。
『例文レベルの英作文』とは、次のようなものです。
(例1)「君は、自分が正しいと思うことをすべきだよ。」
You should do what you think is right. ≪連鎖関係代名詞≫がポイント。
(例2) 「スマートフォンは、私たちの生活の一部になった。」
Smartphones have become a part of our daily lives. ≪現在完了形≫がポイント。
(例3)「金銭的成功が、幸せにつながるとは限らない。」
Financial success do not always make you happy. ≪部分否定≫がポイント。
このような長さの、文法的なポイントを含む英文を『スラスラ書ける』まで練習しましょう!
最初はスラスラ書けなくて当然です! 誰も最初から書ける人などいません。『スラスラ書けるまで』、繰り返し書いていくことが大事です。
オススメの教材については、後述します。
英作文頻出表現を覚える!
『文法的に正しい英文を書ける』のも重要ですが、同じくらい重要なのが、『英作文頻出表現を覚える』ことです。
よく英作文の指導として、『自分の知っている表現で書く』というものがあります。が、そもそも知っている表現が少なければ当然、英作文は書けません!ですので、まずは『英作文でよく出る表現を書ける』ことが非常に重要になってきます。
例えば、次の例を確認しましょう。
(例1)「喫煙が健康に悪影響を及ぼすと言われている。」
It is said that smoking has negative effects on our health.
この例文では、2つの頻出表現が使われています。①「…と言われている」:It is said that SV ②「Aに…な影響を与える」:have a … effect on A です。もう一つ例を見てみましょう。
(例2)「私は先日、5年ぶりに彼女に会いました。」
The other day, I saw her for the first time in five years.
この例文では、2つの頻出表現が使われています。①「先日」:the other day ②「●ぶりに」:for the first time in ● です。
(例3)「人は健康を損なって初めて、その価値に気づく。」
It is not until we lose health that we realize the value of it.
この例文では、「~してはじめて…」:it is not until ~ that … という頻出表現がつかわれています。
このような英作文頻出表現を貪欲に覚えていくことで、書ける表現の幅が広がります!
『英作文頻出表現の暗記』は、日ごろから、『例文レベルの英作文を書ける』ようにするのと同時並行で進めていくのが理想です。
オススメの教材については、後述します。
難解な日本語を自分の書ける英語で書く!
『文法的に正しい英文を書ける』&『英作文頻出表現を覚える』という段階をクリアしたら、私立大の英作文であれば対応できるでしょう。ですが、一部の私立大や難関国公立大では、『難解な日本語を英訳する』問題が出題されます。
そこで、『難解な日本語を、自分の書ける英語で書けるようにする』のが次の段階です。これは、次の項で紹介する問題集等を使い、練習する必要があります。
また、『自分の書ける英語で書けるようにする』ためには、『典型的な言い換えのコツを覚える』ことも重要です。
次の例を確認しましょう。
(例)「昨年アメリアを旅行した時、その広大さに気づいた。」
When I traveled in America last year, I realized how large it was.
「その広大さ」をどのように書くか…。ここで、『名詞は、疑問詞 (S) V … / whether SV …で書けることあり』という、頻出の言い換えパターンを使います。すると、「それがどれほど広大か」:how large it {is/ was} と書けます。"how 形容詞/副詞 SV …":「どれほど…か」という形です。
このような、『典型的な言い換えのコツ』を覚えていくことで、適切な言い換えが思いつくようになります!
オススメの教材については、後述します。
英作文を得意にするためのオススメの教材
『例文レベルの英作文』と『頻出表現の暗記』は同時並行で進めていくのがおすすめです!とはいえ、文法が苦手な人は、まず『文法的に正しく書ける』ようにすることを優先させてもよいでしょう。
【文法的に正しく書けるための問題集】
①英作文基礎10題ドリル(駿台文庫/著:竹岡広信)
ポイント:英作文に必要な英文法をドリル形式で習得できる問題集です。ドリル形式で、反復練習することで、ポイントを身に着けられる内容になっています!
使い方:文法単元別になっています。文法を復習→例文と解説を読む→問題を解く と言う流れで進めましょう。必ず手を動かして問題を解くことが大事です。できなかった問題は、正確に書けるまで書きましょう!
【文法的に正しく書ける&頻出表現を覚えるための問題集】
①基礎英作文問題精講 3訂版(著:竹岡広信)
ポイント:頻出の例文レベルの英作文を100個、厳選して掲載し、詳しい解説が書かれています。例文は短いですので、英作文にあまり取り組んだことのない人でも取り組みやすいかと思います。私立大や地方国公立志望、自由英作文しか出ない大学志望の方に適しています。
使い方:まずは自分で書く→解説を読みポイントを覚える→繰り返し書く というやり方で進めていきましょう。類題もついていますが、まずは例文100個をスラスラ書けるようにしていきましょう。
②竹岡広信の 英作文が面白いほど書ける本(著:竹岡広信)
ポイント:英作文頻出のテーマごとに、例文とその解説、テーマを使った入試問題という構成です。入試問題は、私立大の簡単なものもありますが、国公立大の難しめなものも多く含まれています。ですので、難関国公立大志望者、特に東北大、阪大、京大、東大など、和文英訳が出題される大学を受ける方向けです。
使い方:まずは例文とその解説を読む。例文をスラスラ書けるようにしましょう→その上で、問題を解いて答えあわせ。→書けなかった表現を覚える → 例文と問題をスラスラ書けるまで書く という流れで進めましょう。英作文頻出表現も適宜まとめられていますので、同時並行で覚えていきましょう。類題もありますが、後回しでよいでしょう。
【難解な日本語を、自分の書ける英語で書けるようにするための問題集】
①例解 和文英訳教本 (長文編) --英文表現力を豊かにする(著:小倉弘)
ポイント:難関国公立大の和文英訳を書く方法が学べる問題集です。解答例が多く掲載されていますので、自習でも使えます。また、解説も詳しく書かれています。合わせて、英作文頻出表現も習得できます。阪大や京大等の最難関レベルの英作文まで対応しています。
使い方:まずは問題を解く→解説を読み、書けなかった表現を覚える→自分の答案を修正→スラスラ書けるまで書く という流れですすめていきましょう。
以上で英作文の勉強法はおしまいです。次回は、自由英作文の勉強法を解説していきます。