今回は、前回に引き続き、長文を読めるようにするための方法を解説していきます。今回で最後です!
【長文を読めるようになるために必要なこと5つ】
①単語・熟語の暗記
②1文の精読=文法の知識を使って、1文の文構造を把握し、正確に読めるようにする
③精読の無意識化 = 文構造をいちいち書いたりせずとも、構造通りに読める
④長文を論理的に読む方法を習得する
⑤長文読解演習
今回は、④について解説していきます。
広い視野で英文を読めるようになろう!
前回の投稿まででは、1文を正しく読む方法を解説しました。
では、1文の読解はスムーズにできるようになったら、次は何をすればよいのでしょうか…。
それは、『長文を論理的に読む方法を習得する』ことです!
合わせて、空所補充問題や記述説明問題等の解法を習得していきます。
一文の構造を正しく把握し読めるようになっても、いざ長文になると「何を言いたいのかわからない…」や「設問を勘で解いている…」といった受験生が多くいます。
×やみくもに長文を読む のはお勧めしません!
この状況を克服するためには、『広い視野』を身に着けることが必要です。
具体的には、『結局、この文章を何を言いたいのか』や『この段落の趣旨は何か』を把握できるようになることが大事です!今回は、そのための方法を紹介していきます。
長文を論理的に読む方法を習得する
英語の長文の論理展開は、典型的なパターンがある!
英語の長文には、ある程度『よくある論理展開のパターン』があります。
それを知り、使えるようにすることで、『先の展開を予測しながら読める』ようになり、『筆者の主張・趣旨を正確につかむ』ことができるようになります。
大学入試問題では、『筆者の主張・趣旨が設問で問われることが多い』です。
よって、主張をつかむことが設問を解く際にも非常に重要になります。
よくある論理展開のパターンを具体的な例を使って紹介してみます。
【考えてみよう!】以下は、段落冒頭の英文です。これを読んだ時に、次にどんな展開が続くことを予想しますか。
(例) In Japan, there are several ways of transporting goods. Each method has its own advantages and disadvantages.
:1文目は「日本には、いくつかのものを輸送する手段がある」という意味です。英語の文章は、原則、『抽象⇒具体』の順で展開されます!漠然とわかりにくい内容を書いた後で、具体的に説明していくのです。
ですから、1文目に「いくつかのものを輸送する手段がある」とあるので、当然「いくつかの輸送手段とはどのようなものか、説明されるはずだ」と考えて読みます。
次に2文目を読むと、「それぞれの方法には、良い点と悪い点がある。」とあります。やはり『抽象⇒具体』の原則に照らせば、これ以降では、「各方法の良い点と悪い点が具体的に書かれていく」と予測することができます!
このように、論理展開の典型パターンを知ることで、筆者の主張・趣旨、言いたいことを整理しながら読むことが大事です。
英語の長文の論理展開を習得できる教材
では、このような論理展開のパターンを学べるおすすめの教材を紹介します。
【参考書】
単語を覚えたのに読めない人のための 英文読解のオキテ55(著:宮下卓也)
:以前の投稿でも紹介した本です。後半の第5章からは、長文の論理展開のパターンについてわかりやすい解説がありますので、まずはこの本を読み、パターンを知るとよいでしょう。
【問題集】
佐藤ヒロシの 英語長文[マーク式]が面白いほどとけるスペシャルレクチャー(著:佐藤ヒロシ)
:1文の精読ができるようになり、論理展開のパターンも理解できたら、ぜひともじっくり取り組みたい問題集。内容は難しいものが多いですが、解説はかなり詳しいです。
この本の内容を自分のものにすれば、難関大レベルの長文でも『論理的に読み・解ける』ようになります!
具体的には、①問題を解く→②解説を読み、読み方と設問の解き方を理解する+もちろん語句の暗記や精読のポイントの確認もする→③解説にでてくる発想を使って、読み解けるまで、繰り返し同じ英文を読む! というやり方がおすすめです。
時間はかかりますが、やみくもに長文を解くよりも、かなりの効果がでます!めげずに、何回も、解説に書かれている発想で解けるまで繰り返すことが大事です。
今回は以上です。次回は、いよいよ長文演習のやり方を具体的に解説していきます。